R&Dのトランスフォーメーション事例

   目次

事例1.「ゾンビテーマばかり」だったため立て直したかった化学メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種著名な化学メーカー
企業規模売上数兆円、社員数は連結で数万人、事業部は複数
変革の責任者、遂行者CTO、コーポレートのR&Dマネジメント部門
変革したい対象複数の事業部門の開発と営業、研究所
求める成果高収益を期待できるテーマを事業部の開発や研究所から創出できるようにし、経営への貢献を見えるようにすること

どのような課題があったのか?

「うちの会社はゾンビテーマばかりなんですよ」「テーマだけじゃなくて事業もゾンビ化しています」というのが着手前のCTOの言葉(問題意識)でした。事業部門が複数ある大企業の、すべての事業部門を対象にしていた全社変革のプロジェクトでした。

インタビューの結果、当社の考える課題としては、3つありました。
①事業部においては事業部の開発と営業の連携がうまく行っていないこと
②研究所においては、「金になる」テーマの創出ノウハウが共有されおらず、技術者の好きなテーマを実践させていたこと(「お金の匂いがしないテーマ」)
③自社技術の棚卸しや、技術プラットフォームの整理などができておらず、いわゆる技術マーケティング的な活動が一切できていなかったこと

実施したことはなにか?

事業部の開発と営業部門向け①当社からは「こうすれば営業で顧客潜在ニーズの情報収集ができますよ」とノウハウを提供し実際に手足を動かして潜在ニーズ発掘システムを構築していただきました(研修形式の演習※で「ラインマネージャ研修」と言います)。
②開発部門には「こうすれば収益性の高いテーマを提案するできますよ」とノウハウを提供し、実際に手を動かして過去の商談を分析して潜在ニーズを抽出、テーマ化していただきました(研修形式の演習※で「技術マーケティング研修」と言います)。
③「潜在課題発掘システム(営業と開発の連携の仕組み)」を社内に構築していただきました(研修形式の演習※で「営業のソリューション化」と言います)。
研究所向け当社からはテーマ創出のためのフレームワークを提供し、研究所の技術者に対しては「実際に手を動かしてお金の匂いのする研究テーマを企画しましょう」と呼びかけた研修を行いました(研修形式の演習※で「Rテーマ創出研修」と言います)。。
コーポレートR&D向け当社から「ゾンビテーマの評価サービス」を提供しました。これはR&Dテーマの競争優位性を評価する内容で、会社全体の数十に登るテーマを評価しました。
※調査、分析、企画、提案を実際に手を動かして行う演習を伴う研修です。
概ね、月一回の研修と宿題(社内メンバーでの議論や作業)、如水への質問は随時可能という進め方です。

どのように変化したのか?

成果は以下のようなものでした
成果効果
潜在ニーズ発掘システム営業ー技術の連携でニーズを生み出す
テーマ企画の手順書誰でもテーマ企画ができるようになる、手順通りにテーマを出すよう上司が指示を出せる
ゾンビテーマ評価、業務上のルール儲からないテーマを可視化し、生まれ変わらせることができる
KPI、MBO(目標管理制度)の目標値によるマネジメントの仕組みテーマ創出等のR&D目標を可視化し、進捗をマネジメント可能にする
高収益の期待できるテーマ群と投資提案低収益テーマから高収益テーマへの予算と人の配分変更を通じて、R&Dの期待値を上げられる

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

経営層「やっと投資できるようなテーマが出るようになりました。着手前はゾンビばかりだったし、ゾンビであることに社員が気づいていなかったと感じる。研修や評価体制を変えるなどやってきたが、技術者の行動が変わったことは非常に有意義だと感じる。もう少しスピード感をもってやっていければなお良い。」
技術者の方「中村先生のご指導の下で市場調査を実施行うことで、自分の調査方法が正しいかどうか判り、やり方も身に付いた。Fタームを用いた特許調査は実際に手を動かすことで、やり方が本当に身に付いたと思う(講義動画では簡単そうに見えるが、実際にやってみると難しい)。」

「うまくF軸がでていそうなプロジェクトと既存事業からの脱却にもがいているプロジェクトもあり、様々なフェーズが混在しているところが興味深い。これからのところも進んでいるところを参考にもっとブラッシュアップできると思います。」

「今回の様な調査を、技術担当者だけでなく、営業のメンバーなど組織を超えたチームで取り組むことを本来は通常業務としてできると良いのですが、従来はできていませんので、そのような形態に利点があることを知ってもらうためのモデルケースにできるかもしれないという点で有意義でした。」
営業の方「中村先生の特別動画の内容に沿ってメンバーが忠実に実施して、あそこまでのレベルに仕上げたことが実例として見れて、ものすごく勉強になった。また、我々の部門でも、やればできそうだという気持ちになれた。」

「潜在課題発掘シートやその他競合に対する優位性を得るためのフレームワークによる検討は、可視化することによってより明確な検討になったと思います。」

「・結論を導き出せたプロジェクトがある一方で、未だ迷走している案件も存在。
・結論は発展形で終わったプロジェクトにとっては大変有意義。
・結論がハッピーエンドでないプロジェクトにとっても、ゾンビの様に一定周期で首をもたげるテーマに印籠を渡す意味では有意義。
・総論;大変有意義だと考える。」

成果等に関して当社のコメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

巨大企業のCTOのトップオーダーだけあって、関わる技術者は数百人〜数千人。動かすR&D予算規模は数十億円と、非常に大規模なR&Dのトランスフォーメーションでした。企業規模が大きく関係する人数は多かったものの、短期間で大きく企業を変革できたのはCTOの決断力があったからに違いありません。

最初は特定の技術部門で始めて反応を見ながら徐々に拡大していきました。営業や知財にも対象範囲を拡大し、全体として2年半かけて会社全体に仕組みを作りました。仕組み構築後は運用期間としてフォローアップをしていましたが(仕組み運用のモニタリング)、部署ごとにばらつきはありながらも、カイゼンが進んでいます。

事例2.既存事業の収益低下で「次のテーマ」が出したかったB2B部品メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種B2Bの産業材、部品メーカー
企業規模売上が数百億円、社員数は数百人、事業部は一つ
変革の責任者、遂行者社長、CTO、営業担当役員など
変革したい対象事業部門の開発
求める成果モノ売り型の営業・開発のスタイルから、ソリューションを提供できる会社への変革することで、営業利益率20%以上の経営目標を達成したい

どのような課題があったのか?

「既存事業では先が見えていて、売上は頭打ち、利益も頭打ちでむしろ低下傾向が見えています」「特定取引先に強く依存する売上構造にあって、既存商品群の利益は向こう数年で必ず低下します」と社長は経営の背景を説明してくれました。

CTOに当たる技術担当役員の方からは「既存テーマで手一杯で新しいものを手掛ける時間がない」。営業担当役員からは「当社の開発部門は遅い、できない、売れない、の3点セットで、我々営業は売れない商品をなんとか駆けずり回って売っている。」という状態を説明してくれました。

インタビューの結果、当社の考える課題としては、2つありました。
①開発テーマの殆どがゾンビで儲かるテーマが上がっていなかったこと
②営業もモノ売り営業のスタイルで、ソリューション型の営業ができていなかったこと

実施したことはなにか?

開発部門向け潜在ニーズを発掘して解決する商品を企画するためのテーマ創出手法を実践し、テーマ創出をしていただきました(研修形式の演習※で「技術マーケティング研修」と言います)。
営業部門向けモノ売りの営業からソリューションの営業に進化するべく、自社営業(商品、販売方式、情報収集の方式)のソリューション化を図っていただきました。(研修形式の演習※で「営業のソリューション化」と言います)。
ラインマネージャ向け潜在ニーズを発掘する仕組みや、潜在ニーズをテーマにする手順が揃えていくことが必要だという考えのもと、関係する会社の仕組みを構築していただきました(研修形式の演習※で「ラインマネージャ研修」と言います)。
※調査、分析、企画、提案を実際に手を動かして行う演習を伴う研修です。
概ね、月一回の研修と宿題(社内メンバーでの議論や作業)、如水への質問は随時可能という進め方です。

どのように変化したのか?

成果は以下のようなものでした

・潜在ニーズ発掘システム(営業ー技術の連携でニーズを生み出す)
・テーマ企画の手順書(誰でもテーマ企画ができるようになる)
・ゾンビテーマ評価、業務上のルール
・KPI、MBO(目標管理制度)の目標値によるマネジメントの仕組み
・高収益の期待できるテーマ群と投資提案

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

経営者の声「これまでゾンビテーマばかりだった所、今回の活動で投資してみようと思えるテーマが提案された。まだ少ないものの、一つには投資を決めることができた。社長としてしなければならない決断がやっとできたと感じている。これが自分の見たい景色だった
ラインマネージャの声「各チームごとに業界の動向、今後の動きに併せた対策など資料としても非常に作りこまれており勉強になりました。資料の構成や発表内容についても今後モデルケースとして参考にしたいと思います。」

「営業の立場で会社組織の中の小さな営業所レベルでも、
ソリューションの棚卸がおろそかで、所員共有が為されていない。
潜在ニーズ発掘以前に顕在ニーズの取りこぼしも多い
③日々の生活で『様々な興味を抱き、色々考える』ことを励行した
など、大きな組織以前の小さなコミュニティで忘れている事に気付かされた。」
技術者、営業担当者の声「技術マーケティングの手法は、優れた発明家・事業家の考え方、判断方法の流れを明示、体感させていただいたと思ってます。それゆえ、なんとなく理解している気がしてたのですが、改めて自分の不足している多くの部分を把握でき有意義でした。また、判断に至る手順、情報収集、判断基準等、勉強になりました。」

「様々な分析や情報収集を実践できたこと、開発と営業が一緒に取り組めたことが大きな収穫と思います。また、チーム内で意見を出し合いながら進めるということは今までほとんど経験がなく、人の考えから新しい発想が生まれたり…というのがよかったです。」

「既存商品に関して中心の視野から、他社とのコラボで競合のない商品開発という今までにない視野が開けた。製品の特長(PR点)を見つける考え方も身につきました。」

如水コメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

B2Bメーカーでは顧客課題の先取りをしなければなりませんが、営業部門はモノ売りをしているのに問題意識がなく、開発部門は「現状テーマで手一杯」という状況からのスタートでした。着手から完了まで2年がかりのプロジェクト(その後フォローアップを継続しました)でしたが、営業部門と開発部門の共同体制で潜在ニーズ発掘システムが出来上がりました。「ものづくりメーカーのソリューション事業化」というのがピッタリの要約かと思います。

事例3.研究所のテーマ創出手法を確立したかった飲料メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種著名な飲料メーカーのある研究所
企業規模売上は数兆円、社員数は数万人
変革の責任者、遂行者研究所長、研究所のR&Dマネジメント部門
変革したい対象研究所の技術者
求める成果未来を見据えた独自性の高いテーマを企画できるようになること

どのような課題があったのか?

「当社の社員は非常に優秀ではあるが、自らものを考えて企画提案することはできない」「顧客である事業部の受け身体質である」というのが研究所長様のお悩みでした。一般に、研究所と呼ばれる組織でも事業部の言いなりになりがちな会社が多数ありますが、ここでも同じようなことが起こっていました。

「自ら企画できる社員を育成したい」という研究所長様、R&Dマネジメント担当者様の願いにより、演習式の研修を実施することにしました。

実施したことはなにか?

技術者向け潜在ニーズを発掘して解決する商品を企画するためのテーマ創出手法を実践し、テーマ創出をしていただきました(研修形式の演習※で「技術マーケティング研修」と言います)。
ラインマネージャ向け研究所なので営業との連携ができなかったものの、テーマ創出をするための(研修形式の演習で※「ラインマネージャ研修」と言います)。
※調査、分析、企画、提案を実際に手を動かして行う演習を伴う研修です。
概ね、月一回の研修と宿題(社内メンバーでの議論や作業)、如水への質問は随時可能という進め方です。

どのように変化したのか?

成果は以下のようなものでした

・テーマ企画の手順書(誰でもテーマ企画ができるようになる)
・KPI、MBO(目標管理制度)の目標値によるマネジメントの仕組み
・高収益の期待できるテーマ群と投資提案

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

経営者の声「(一連の研修を)早くやればよかったな、というのが今の感想です。当社の社員は優秀ですが、自分で企画して提案するところが物足りないと思っていました。今回の研修で一通り習得できたと思いますが、潜在ニーズやF軸という視点は今後もマネジメントとしても大事にしていきたいと思います。」
ラインマネージャの声「新規テーマ創出に対する自社の問題点が洗い出され、解決する方法を考え、経営層に直接意見が言える機会を作っていただけた。部署単位でみると合わない部分もあったと思うが、それも含めて再認識することが出来たと思う。」

「技術マーケティングの推進には会社のシステムから変更が必要で経営層の理解を得ないと行き詰ること、そうならないためには管理職から経営層に必要性を訴える必要がある事を理解した。経営層にどのような事を説明するのか当初は何も分からなかったが、終盤には課題を明確に把握でき、どのような説明をすると経営層にささるかまで具体的に教えて戴き、大変ためになった。」
技術者の声「有意義、テーマ提案の具体的な手順を知ることが出来た。(工場内で検討しているだけでは、察しの悪い人間は手順に気付かない)。今まで関わった新規テーマが複数あるが、失敗例の説明を聞き、失敗原因がどこにあったのか考察できた。テーマを創出するにあたり、やってはいけないことを知った(100%が110%になる、等)。F軸(競合にはない独自の競争軸)の重要性を知る事ができた。」

「現状の会社の組織や制度を当たり前のように感じていたが、今回のように第3者から厳しい目線で評価してもらうことが重要であること感じた。また、自分たちの世代が意識して改革をしていく必要であることを強く感じた。(意識改革の貴重な場を与えていただき、感謝しています)」

「改善提案等については断片的に話題に上がることはありましたが、ここまで正面から議論されたことはなかったと思うので、現状の問題点の把握と改善の意見を聞かせていただいて有意義でした。気が引き締まります。」

如水コメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

研究所長のご指摘の通り社員の方は非常に優秀でした。優秀な方であるがゆえに吸収が早くて、学んだことはすぐに実践。素早くエラーを出して実践的な質問をしてくれるのが印象的でした。一つのテーマについては研修中にも予算をつけて実施することとなったので、成果も上々だったのではないかと思います。

着手から半年でスピーディに仕組みを立ち上げることができました。

事例4.既存事業の技術をもとに新しい事業を生み出したかった医薬品メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種医薬品メーカー
企業規模数百億円、数百人(グループ全体では数兆円、数十万人)
変革の責任者、遂行者研究所長、営業部長、マーケティング部長
変革したい対象技術部門の担当者、営業部門の担当者
求める成果既存事業の賞味期限が切れないうちに、新規のテーマを立案して新しい事業を生み出せるようにすること

どのような課題があったのか?

ご相談を受けた時には「事業が数十年経過しているが、そんなに進化していない。これまでは技術進化しなくても生きていける業界ではあったが、新しい技術が登場して既存事業の雲行きが怪しくなってきた。今のうちに新規事業を立ち上げたい」という趣旨の相談を受けました。営業の方にインタビューすると確かにモノ売りの営業スタイルであり、開発は顧客要望対応型の開発スタイルでした。

実施したことはなにか?

技術者向け潜在ニーズを発掘して解決する商品を企画するためのテーマ創出手法を実践し、テーマ創出をしていただきました(研修形式の演習※で「技術マーケティング研修」と言います)。
ラインマネージャ向け研究所なので営業との連携ができなかったものの、テーマ創出をするための(研修形式の演習※で「ラインマネージャ研修」と言います)。
※調査、分析、企画、提案を実際に手を動かして行う演習を伴う研修です。
概ね、月一回の研修と宿題(社内メンバーでの議論や作業)、如水への質問は随時可能という進め方です。

どのように変化したのか?

成果は以下のようなものでした

・テーマ企画の手順書(誰でもテーマ企画ができるようになる)
・KPI、MBO(目標管理制度)の目標値によるマネジメントの仕組み
・高収益の期待できるテーマ群と投資提案

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

経営者の声「半年間に渡ってご指導いただきありがとうございました。当社の課題は「潜在ニーズの発掘」に尽きると思いますが、今回、その方法を教えていただき社内で仕組みまでは作れました。実践継続して結果につなげたいと思いますが、フォローアップをお願いいたします。」
ラインマネージャの声「営業と研究の連携を上手く回していく仕組みが必要。営業が潜在課題を報告しても、研究から何のフィードバックも無ければ継続するモチベーションが低下するし、逆に研究が用途探索のみで開発を進めてしまうと、これまでの様に顧客課題の解決に繋がらないリスクがある。」

「大変分かり易く明快な講義でした。また、疑問に対しても非常に丁寧に、親身になって答えて頂きました。一般論に終わらない実践的な研修でしたので、身に付くと思います。」
技術者の声「潜在課題発掘については競合他社を知り顧客を知り、同軸競争を避けて顧客価値を生み出すという点良く理解できました。今後競合などができない評価系構築などにより高付加価値品を生み出していければと思います。」

「ニーズとシーズをつなぎ合わせることが重要と考えていたが、その具体的な手法が無かったので、今回の研修を通してそのやり方を学べたと感じている。また研修の運営に関して、最終的にはチーム分けも含め上手くまとまった様に感じるが、スタートの時点では参加者の研修に対する認識や位置づけの理解が不十分だったと感じた。事前の説明等をもう少し詳しくやっておいた方が良かったかもしれない。」

「ずっとやりたいことに関して提案活動を続けていたので、もっと早くこの研修を受けたかった。と思う反面、一昨年に抵触性調査を経験し、去年に特許出願で失敗したからこそ、今回のような特許を分析する手法が染みる、良いタイミングだったのかもしれない。特許をこういう風に扱えばよいのかと勉強になることは大量にあったし、既に自分なりに編み出していた手法が紹介されていたらそれが自信になった。調べる手法を教えてもらう度に、逆に自分の元々の知識や自部署の実力の理解が大事だなぁと改めて思う。」

如水コメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

企業規模が中くらいで営業と研究開発の連携が非常にしやすいサイズのクライアント様でした。保有技術がユニークだったため、殆どの方が「狭い市場しかないのでは?」と思い込まれていましたが、そうでもないことは用途探索をしてすぐに分かりました。市場が広がっていることがわかったあとはスムーズにことが運び、実際の顧客課題の調査にも手を動かしていただいたと思います。

潜在課題発掘システムは運用を始めてから結果が出ていくものですので、運用をしてテーマにつなげることに期待したいです。着手後半年で仕組み構築ができました。

事例5.新規事業部門を立ち上げたばかりでテーマ企画のノウハウを確立したかった大手部品メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種大手部品メーカー(機械系)
企業規模数千億円、数千人
変革の責任者、遂行者新規事業部門の部門長、エースの課長様
変革したい対象新規事業部門に配属された元技術・元営業部門の方々
求める成果開発部門の手の届かない新規テーマを立案すること

どのような課題があったのか?

「開発部門で新しいテーマの取り組みを模索したものの、いつまで経っても『既存テーマが忙しいためにできない』という声があったために、社長意向もあって新規事業部門を独立させることにした。新規事業部門設立で自由度は高まったものの、 これまでテーマ創出に関する教育をしたこともなく、ノウハウがない。各々が五里霧中でやっている状況」という説明を依頼時に受けました。

実施したことはなにか?

新規事業開発部門向け潜在ニーズを発掘して解決する商品を企画するためのテーマ創出手法を実践し、テーマ創出をしていただきました(研修形式の演習※で「技術マーケティング研修」と言います)。
※調査、分析、企画、提案を実際に手を動かして行う演習を伴う研修です。
概ね、月一回の研修と宿題(社内メンバーでの議論や作業)、如水への質問は随時可能という進め方です。

どのように変化したのか?

成果は以下のようなものでした

・テーマ企画の手順書(誰でもテーマ企画ができるようになる)
・高収益の期待できるテーマ群と投資提案

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

技術者の声「中村先生のファシリテーションのおかげで、お知恵を拝借しつつ自ら考えて進めることができたと思います。技術や営業の方々と1つのことを一緒に考えたり、協力したりということをしたことがなかったので、とても新鮮でした。
あとは、一人一人に役割をきちんと振り分けることができればいいなと思いました。参加人数が多くなればなるほど、いろんなアイディアも出ますが、作業分担にムラが出てきてしまい、分担が少ない人は参加当事者としてのモチベーションが下がってしまう気もします。(リーダーにお任せ感がなくもない)」

「正直、最初は雲を掴むようなイメージを持っておりました。しかしPEST分析や特許の読み込み・読み込み結果のグラフ化など、課題や解決手段を可視化していくことで当社が目指すべき方向が「あぶりだされてきた」という感覚になりました。今まで、「お客さんや市場が求めているのは〇〇ぽい」という情報もありましたが、今回はそれらの裏付けを少しずつ固めていって、顧客・サプライヤー・競合・自社の課題・解決手段を可視化することで、整理がついたと思いました。今回は、たくさんの気づきがある有意義な講義を受けることが出来て、大変うれしく思います。良い機会をありがとうございました。」

「本当にありがとうございました。最初は新しい手法であったことやその取り組みボリュームの大きさに戸惑いましたが、分析を通して、また講義やご助言によって、自分の成長につながったと思っています。
講義外の個別フォローも丁寧にご対応くださって感謝です。宿題について、全て大事なものであるのは十分理解していますが、もう少し優先順位や方向性によってしなくてもよい宿題をご提案してくださると嬉しかったです。」

如水コメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

新規事業部門が元営業、元技術の方々でできた混成チームでしたので、営業・技術にもかかわらずに潜在ニーズ発掘を実施していただきました。知財の方にもご協力いただき、顧客状況を知財情報に基づいて紐解きながら潜在ニーズを見えるようにしていただきました。

参加にかなりコミットして実施していただいたこともあり、成果が良かったと感じています(参考として、逆にコミットできない場合(聞くだけで手を動かさない場合)は、成果は出ないことを申し添えます)。

事例6.技術、営業と知財部門の連携意識を醸成しIPランドスケープを成功させたかった老舗機械メーカー様の事例

クライアントのプロファイル

業種老舗機械メーカー
企業規模数千億円、数千人
変革の責任者、遂行者知財部長
変革したい対象技術部門、営業部門、知財部門
求める成果部門間の連携意識を醸成しIPランドスケープを成功させること

どのような課題があったのか?

当社への依頼には知財部長の方がわざわざ京都まで来社されました(遠くまでありがとうございます)。その際に「IPランドスケープを始めたものの、知財部門のメンバーが技術者に情報を提供してもあまり反応してくれない。戦略立案をするのが大事だと思うが、、、」という相談を受けました。

私からは、「戦略立案の主体が営業や技術にあるのだから、知財がどんなに頑張っても彼らが戦略立案の責任を感じなければ結局は易きに流れ、顧客要望対応型の研究開発テーマを継続することになります。そっちのほうがラクですから。」と応じました。

ご相談時まで何をやるかは決まっていなかったのですが、IPLなどの取り組みを社内で実施する際に戦略立案の責任意識をもたせるのには社内セミナーが有益であることを伝え、以下の社内セミナーを実施するのを提案しました。

実施したことはなにか?

技術、営業、知財、経営者の方々向け「営業、技術、知財の連携で実現する研究開発テーマの立案」と称する社内セミナーを行いました。社内セミナーとは2時間程度の講演会で、最近はオンラインで実施することが多いのですが、このクライアントでは130名程度参加され、対面形式で行いました(中継もあり)。

どのように変化したのか?

以下、どのように変化したのか、お客様の声をご紹介します。

技術者、営業の方の声「戦略立案をきちんとするためには、営業の方にもその内容と意図を理解してもらう必要があると以前から思っていました。『患者は素人でなく、腕のいい医者に相談に行く』理論は特に納得感がありましたので、肝に銘じたいと思いました。ありがとうございました。」

「ゾンビテーマの考え方興味深かったです。「顧客の先生になること」が潜在ニーズの発掘に重要であることが良く分かった。また、知財と潜在ニーズの発掘の重要性も分かりました。
ありがとうございました。」

「お客様からの意見だけを聞くだけではあまり成長しないことを知りました。成長するためにはリスクをとることや相手のことを知り、こちらから提案することも必要だと知りました。」

如水コメント

コンサル兼講師の中村です
コンサル兼講師の中村です

社内セミナーだけのご利用でしたので、実施後の変化については分かりませんが、営業ー技術ー知財の連携の重要性ややり方についてはご理解いただけたのではないかと思います。アンケートも非常に好評でした。

なお、当社の社内セミナー実施時の受講者満足度は90%程度です。安心してご利用ください。日程調整などございますが、着手後1,2ヶ月程度で完了できます。