本当にできてる?技術の棚卸し ~未来を造る人になる#40~

こんにちは、JOSUIの中村です。

新規事業・研究開発リーダーに向けたメールシリーズ「未来を造る人になる」の第40回です。

今回は、「本当にできてる?技術の棚卸し」というテーマで書きました。

前回のエントリーは こちら

メールのバックナンバーは こちら からご覧ください。

技術の棚卸し

技術の棚卸しとは、何でしょうか?

釈迦に説法ではありますが、保有している技術の一覧表を作ることです。

一覧表といっても作りかたは様々です。

自社技術の競争力の確認や、技術に基づいた新たなアプリケーション(新製品)を作る着想を得るのに使用されます。

日本企業では、継続的に、技術の棚卸しが行われてきたと考えています。そして過去20年間の新規事業のトレンドは、こうした技術の棚卸しの結果、保有していると分かっている技術に基づく新製品だったのではないでしょうか。

製品ー要素技術への分解

技術の棚卸しを行う方法の一つは、製品から要素(製品を構成する部品など)に分解し、分解された要素に関連性のある技術を一つ一つ洗い出す方法です。

例えば、デジタルカメラで考えた場合、レンズ、CMOSセンサ、映像エンジン(MPU)、メモリ、インターフェース、筐体などの部品で構成されます。

レンズはガラス製のものやプラスチック製のものなどがありますが、プラスチック製の場合、レンズの設計技術、金型技術、成形技術、品質管理技術などに分解出来ます。設計技術は、要求の仕様化、仕様に基づいた図面の作成、図面に基づいた性能評価等の詳細な設計のフローに分解されます。というようにそれぞれが更に分解されていきます。

たしかに、要素技術への分解は大切なのですが、要素技術への分解を「どこまで(細かく)やるか」が課題になります。

そこで、次の視点が重要になるのです。

顧客価値の文章化

技術はいくらでも分解できてしまうので、「どこまでやるか」という視点は非常に重要になります。

「程よくやる」というのが回答なのですが(笑)、論理的な回答を試みれば、顧客価値を発揮するレベルにまで分解すればいい、ということになります。

これでもまだ分かりにくいですね(笑)。

先ほどのレンズを例にしてみましょう。

レンズの性能は、明るさ(F値)、絞り、倍率等の指標で表現されます。

仮に、顧客を写真やレンズに詳しくない人と置いた場合、性能値は顧客価値ではありません。

「暗い場所でもブレない」とか、
「ズームで撮影しても手ブレがない」とか、
そういう言葉が顧客価値になります。

では、「暗い場所でもブレない」という顧客価値を対象とした場合、どうなるでしょうか?

暗い場所でもブレないというのは、レンズの明るさによるものです。F値が高ければ、明るいレンズになります。

F値が高いレンズをプラスチックで成形するのは難しい技術です。なぜなら、プラスチックの収縮によって、型通りのレンズが出来ないからです。

技術の棚卸しをしたとして、それがいったい何になるのか?

どういう顧客価値を実現するのか?

を考えて文章化しておくことが重要です。

「F値2.0のレンズをプラスチックで成形できる」

という技術については、

「暗い場所でも手ブレしない」

という文章でレンズの顧客価値が表現出来ます。

顧客価値の文章化が終わったら競争力評価

アプリケーションの探索に入ります。

レンズであれば、「暗い場所でも手ブレしない」レンズをプラスチックで大量に生産できる技術力が背景にあるわけですが、この競争力を評価します。

つまり、他社が実施できるのか、できないのか、どの程度競争力があるのか、それはなぜなのか、特許があるからなのか、を一覧表にしていく訳です。

そうすると、技術ごと、顧客価値ごとの競争力が明らかになります。

成長市場との照らし合わせ

これから成長するであろう市場、既存の市場で参入できそうな市場を見つけます。

そして、その市場に参入するための技術を定義して、自社の保有技術とのマッチングを図ります。マッチングできそうな市場があれば、詳細に調査して、

・どの程度マッチするのか?

・足りない技術はなにか?

・競合は?

・顧客は?

など、様々な調査をしていくことになります。

本当にできているでしょうか?

技術の棚卸しと言っても、目的によって様々な方法があります。

上で説明したのは一つの方法であって、別の目的があれば別の方法があるわけです。

皆様の会社では、本当の意味で技術の棚卸しができていますか?

PAGE TOP